人付き合いが苦手です。
こう書くと「誰だってそうでしょう」と思われるかもしれませんが、私の場合は特に仕事の場面になると途端に口数が減ってしまい、自分でも困るほど言葉が出てこなくなります。日常のたわいない会話ならまだなんとかなるのですが、仕事の話となると、何をどう伝えればいいのか頭の中が真っ白になってしまうのです。50年以上生きてきて、いまだにこの壁を越えられずにいる自分がいます。
今日は、そんな私がコミュニケーションを少しでも改善しようと試みてきたことについて、正直にお話ししたいと思います。
相談しても届かなかった言葉
以前、思い切って上司に相談したことがあります。「話し始めるとどうにも言葉に詰まってしまって、何を話せばいいのか分からなくなるんです」と打ち明けました。返ってきた言葉は「それなら話さなくてもいいよ」というものでした。
若い頃の私だったら、きっと泣いていたと思います。でも、この年齢になると、心は泣いているのに涙が出てこない。泣けない体になってしまったのかもしれません。
自分でも分析してみると、私には話の構成を考えるのは得意なのに、結論がまとまらないうちに話し出してしまう癖があるようです。相手を待たせるよりは、話しながら整理していく方がお互いにとっていいだろうと思っていたのですが、実際にはまったく逆でした。話が長くなりがちで、相手が途中で興味を失ってしまうのです。
上司が私の言葉に関心を示さなくなると、同僚も同じような態度を取るようになります。上司がそれを許容しているのだから仕方ないのかもしれませんが、やはりとても悲しいものです。自分の話に内容がないのか、それとも私という人間に興味がないのか、正直なところよく分かりません。もしかしたら両方なのかもしれません。
いろいろ試してみた結果
こうした状況をなんとかしたくて、私なりにいくつかのことを試してきました。
スポーツジムに通っていた頃は、「誰でもいいから知らない人に話しかける」ということを自分に課していました。これは意外と効果がありました。自分から話しかけるハードルが少しずつ下がっていく感覚がありましたし、威圧感を与えずに話しかけることの大切さも学べました。日常の何気ない場面では、以前よりも自然に言葉が出るようになったと思います。
一方で、大きな失敗もありました。上司に「話さなくてもいい」と言われたことを真に受けて、ここ一年ほどは自分から発言することを控えてみたのです。静かにしていれば余計な摩擦も生まれないだろうと考えました。しかし、これは完全に裏目に出ました。
今の上司からは「会社なのだから、ひとりで仕事をしてはいけない」と言われてしまったのです。孤立するつもりなんてまったくなかったのに、私の振る舞いが孤立しようとしているように映っていたようです。話さないようにしていたことが、かえって壁を作っているように見えてしまったのでしょう。
静かにしているだけでは通用しない。かといって、話し始めると言葉がまとまらない。どちらに転んでもうまくいかない堂々巡りの中で、自分の感情のコントロールが難しくなる瞬間があることにも気づきました。心穏やかに過ごしたいという気持ちが人一倍強いのは、そうした不安定さの反動なのかもしれません。
持って生まれなかったものと向き合いながら
コミュニケーションが得意な人を見ると、「生まれ持ってくればよかったな」と心から思います。何気ない雑談から仕事の核心へと自然に話を運べる人、場の空気を読んで適切なタイミングで発言できる人。そういう才能は、努力だけでは簡単に手に入らないものだと痛感しています。
でも、ないものねだりばかりしていても前には進めません。
まだ答えは見つかっていませんが、これからも時間をかけてこの問題と向き合っていくつもりです。結論が出てから話す練習をしてみること、短い言葉で要点を伝える工夫をすること、そして何より「孤立しているように見えない」自分の在り方を模索すること。小さな一歩を積み重ねていくしかないのだと思っています。
この年齢になっても変われるのかどうか、正直なところ自信はありません。それでも、諦めてしまったらそこで終わりですから。
皆さんの中にも、コミュニケーションに苦手意識を抱えている方はいらっしゃいますか。もしよければ、どんな小さなことでも構いませんので、ご自身が試してみて「これは少しだけうまくいった」という経験があれば、ぜひ聞かせていただけたら嬉しいです。

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